
【監修者プロフィール】
合同会社スタイルマネジメント 佐藤恵介
経済産業省 認定経営革新等支援機関
『資金繰り表作成&活用マニュアル』マネジメント社 2025年11月 共同著者
資金繰り改善、銀行対応(資金調達)、経営計画書作成、売上・利益改善などと支援する財務コンサルタント

『資金繰り表作成&活用マニュアル』
2025年11月 マネジメント社より共同出版
Amazonにて発売中
「売上は上がっているのに、なぜか手元の現金が増えない」
「銀行との交渉がうまくいかず、次の投資に踏み切れない」
もしあなたが経営者としてこのような孤独な悩みを抱えているなら、今必要なのは優秀な「経理担当」ではなく、経営の羅針盤となる「CFO(最高財務責任者)」かもしれません。
CFOとは、Chief Financial Officerの略称であり、企業の「お金」に関わる全ての戦略を統括する最高責任者です。
しかし、大企業のCFOと、成長過程にある中小企業のCFOでは、求められる役割が決定的に異なります。
本記事では、数多くの事業再生やV字回復を支援してきた財務コンサルタントの視点から、「教科書的なCFO」と「中小企業の現場で本当に役に立つCFO」の違いを、実例を交えて解説します。
1.CFO(最高財務責任者)とは?経営における立ち位置
CFOを一言で表すなら、「経営者のビジョンを、実現可能な数字(計画)に翻訳するパートナー」です。
CEO・COO・CFOの関係性
よくある経営体制の例えとして「船」が挙げられます。
- CEO(最高経営責任者)
- 「あそこへ行くぞ!」と目的地(ビジョン)を指し示す役割。
- COO(最高執行責任者)
- 船を動かすエンジン(現場・営業部隊)を最大限に回す役割。
- CFO(最高財務責任者)
- 「今の燃料(資金)でそこまで行けるか?」「どのルート(戦略)なら安全か?」を計算し、地図と燃料を管理する役割。
多くの中小企業では、社長が上記の3つの役割りを全て一人で兼務しています。
しかし、年商規模が数億円を超えてくると、社長の勘と度胸だけでは資金ショートのリスクが高まります。ここで必要になるのがCFOです。
2.「経理部長」と「CFO」の決定的な違い
多くの社長が混同しがちなのが「経理部長」と「CFO」の違いです。この二つは、見ている「時間軸」が全く異なります。
| 項目 | 経理部長 | CFO(財務責任者) |
| 視点 | 過去 | 過去と未来 |
| 主な業務 | 決算書作成、税務申告、日々の記帳 | 資金調達、予実管理、投資判断 |
| 成果物 | 正確な試算表・決算書 | 資金繰り表 経営計画書 |
【プロの視点】実務現場でのリアル
「顧問税理士がいるからCFOは不要」と考える経営者様も多いですが、税理士の主戦場は「税務署(過去の正しさ)」です。一方でCFOの主戦場は「銀行・投資家(未来の可能性)」です。
実際に私がご支援した事例でも、「試算表は完璧だが、資金繰り表がなく、黒字なのに倒産寸前」という企業が多々ありました。
経理部長は「計算」をしますが、CFOは「お金を生み出す設計」をします。
3.中小企業におけるCFOの具体的な4つの役割
大企業のCFOはIR(株主対応)やM&Aが主務になりますが、年商1億〜10億円規模の企業において、CFOが果たすべき役割はより泥臭く、現場的なものです。
① 資金調達と銀行交渉(バンクミーティング)
最も重要な任務です。単にお金を借りるだけでなく、「どの銀行から」「どのような条件(金利・期間)で」「どういうストーリーで」調達するかを設計します。
特に、金融機関に対して自社の事業性や将来性を論理的に説明し、信頼を勝ち取る能力が求められます。
② 資金繰り管理(キャッシュフロー経営)
「勘定合って銭足らず」を防ぐため、半年先、1年先の資金繰り表を作成し、資金ショートの予兆を早期に察知します。
私たちの経験則ですが、「資金繰り表がない経営は、ヘッドライトのない車を夜中に運転するようなもの」です。
③ 「経営計画書」の策定
社長の頭の中にある「やりたいこと」を、SWOT分析やPESTLE分析といったフレームワークを用いながら、根拠のある数値計画に落とし込みます。
これにより、社員のモチベーション向上と、金融機関からの信用獲得を同時に実現します。
④ 予実管理とPDCA
計画を作って終わりではなく、毎月「計画と実績のズレ」を確認し、早期に対策を打ちます。
4.一般的なCFOと「スタイルマネジメント流CFO」の違い
ここで、多くの企業が直面する壁があります。「優秀なCFOを正社員で雇うと、年収1,000万円以上かかる」というコストの壁です。また、大企業出身のCFOは現場の泥臭い資金繰りに慣れていないこともあります。
そこで選択肢となるのが、弊社(合同会社スタイルマネジメント)のような「社外CFO(CFO代行)」という関わり方です。
| 特徴 | 一般的なハイクラスCFO | 合同会社スタイルマネジメント CFO代行 |
| コスト | 高額(年収1,000万~1,500万+採用コスト) | 新入社員と同じ程度の費用 合理的(必要な機能に絞って、委託可能) |
| 得意領域 | 上場準備(IPO)、M&A、IR | 銀行融資 資金繰り改善 事業再生 |
| 銀行対応 | 都市銀行や投資家向けの説明が得意 | 信用金庫・公庫・地銀との交渉に精通 |
| スタンス | 管理・監督 指示・命令が多い | 伴走支援(社長の右腕として現場に入る) 着眼点の共有、質問が多い |
独自の強み:認定経営革新等支援機関としての実績
弊社は国が認めた「認定経営革新等支援機関」です。
単なるコンサルティングにとどまらず、金融機関が納得する「実現可能性の高い計画書」を作成し、実際の融資実行までを伴走します。日本政策金融公庫や商工中金の難易度の高い融資(資本性劣後ローンなど)を通してきた実績があります。
5.CFO機能が企業を救った事例(Before/After)
CFOの機能が稼働し、経営の数字が「見える化」されると、企業は劇的に変わります。守秘義務の観点から一部情報を加工していますが、実際に弊社がご支援した事例をご紹介します。
事例①:年商5億円規模の携帯販売業(V字回復)
- Before: 売上は5億円あるが、営業赤字▲1,140万円。どんぶり勘定で利益構造が見えていなかった。
- CFOの介入: 簡易的な計画ではなく、根拠ある「経営計画書」を作成。粗利率の改善を徹底管理し、金融機関へ説明。
- After: 1年で売上6.4億円(128%増)、営業利益は2,133万円の黒字へ転換。新規融資1,000万円も獲得し、手元資金が潤沢に。
事例②:年商1.6億円の卸売業(資金調達の最適化)
- Before: コロナ禍と原材料高騰で営業赤字。借入返済が始まり、資金繰りの不安で社長が夜も眠れない状態。
- CFOの介入: 日本政策金融公庫の「資本性劣後ローン(自己資本とみなされる借入)」を活用した財務戦略を立案。
- After: 3,500万円の資金調達に成功し、資金繰りが安定。本業に集中できたことで黒字化を実現。
事例③:多店舗展開の調剤薬局(事業再生・外科手術)
- Before: 報酬改定の影響で営業赤字▲6,000万円。銀行返済が重く、倒産危機。
- CFOの介入: 不採算店舗の事業譲渡(M&A)と、銀行へのリスケジュール(返済猶予)交渉を主導。痛みを伴うが、生き残るための「外科手術」を断行。
- After: 営業利益800万円の黒字へ浮上。銀行との信頼関係を維持しつつ、再建の道筋を確定。
6.優れたCFOを採用・活用するために
CFOに求めるべきスキルセット
中小企業の社長がCFO(またはCFO代行)を選ぶ際は、以下のポイントを確認してください。
- 「翻訳能力」があるか: 会計用語を並べるのではなく、社長の想いを銀行に伝わる言葉に、銀行の論理を社長にわかる言葉に変換できるか。
- 「NO」と言えるか: 社長が暴走しそうな時、財務的根拠を持ってブレーキを踏めるか。
- 金融機関とのネットワーク: 地元の信金や公庫の特徴を理解しているか。
最後に:CFOは「未来」を創る仕事
CFOとは、単に現金を管理する金庫番ではありません。
社長が描く「未来の設計図」に、資金という「燃料」を注ぎ込み、目的地まで安全に送り届けるナビゲーターです。
「数字に強いパートナーが欲しい」
「銀行対応を任せたい」
そうお考えの経営者様は、正社員雇用の前に、まずは実績豊富なプロフェッショナルによる「CFO代行」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問(FAQ)
Q. まだ売上1億円未満ですが、CFOは必要ですか?
A. 専任のCFOを雇う必要はありませんが、「CFO的な機能(資金繰り管理)」は創業期から必須です。まずは外部の専門家や、資金調達に強い税理士にスポットで相談することをお勧めします。
Q. 顧問税理士にCFOの役割をお願いできませんか?
A. 税理士の専門は「税務(正しい申告)」であり、「財務(資金調達・銀行交渉)」とは専門分野が異なります。財務に強い税理士もいますが、多くの場合は役割を分けるほうがスムーズです。
Q. 合同会社スタイルマネジメントの支援を受けるメリットは?
A. 単なるアドバイスだけでなく、銀行への同行や資料作成代行など、社長の右腕として実務を遂行します。「社長の不安を取り除き、本業に集中してもらうこと」が私たちの最大の提供価値です。